奉存ぞんじたてまつり)” の例文
盆栽の写真十八枚御贈り被下くだされ難有ありがたく奉存ぞんじたてまつり候。盆栽のことはわれわれ何も存ぜず候へども、定めて日々の御手入おていれも一方ならざる事と存候。
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
一後藤春草篠崎小竹しのざきしょうちくへ御草稿御見せ。一段の御事に奉存ぞんじたてまつり候。固より二老は天下の大老に御座候間お為に相成候事□余益これ有る可くと存じ奉候。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
餘り變なることに御坐候故、御覽も御面倒なるべくとは奉存ぞんじたてまつり候へ共書付申候。
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
一昨日は御書を給はり、辱く奉存ぞんじたてまつり候。其節御恵贈の朝鮮産西洋種梨子なし、誠にやすらかにして美味、有難存候。彼の争議一件御筆にのせられ候由、以て当今社会の現況を知る事を得べく、楽しみ罷在まかりあり候。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
拝啓おしつまり何かと御多忙と奉存ぞんじたてまつり候。
子規居士と余 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
かるやきかつ私家名淡島焼などと広く御風聴被成下なしくだされ店繁昌つかまつりありがたき仕合しあわせ奉存ぞんじたてまつり製法入念差上来候間年増し御疱瘡流行の折ふし御軽々々御仕上被遊候御言葉祝ひのかるかるやき水の泡の如く御いものあとさへ取候御祝儀御進物にはけしくらゐほどのいもあとも残り不申候やうにぞんじけしを
歌の事につきては諸君より種々御注意御忠告をかたじけのうし御厚意奉謝しゃしたてまつり候。なほまたある諸君よりは御嘲笑ごちょうしょう御罵詈ごばりを辱うし誠に冥加みょうが至極に奉存ぞんじたてまつり候。
人々に答ふ (新字旧仮名) / 正岡子規(著)