“天草灘”の読み方と例文
読み方割合
あまくさなだ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
川島郷の七人衆の原士、あの方々も寛永かんえいの昔、島原しまばらの一せんがみじめな敗れとなった時、天草灘あまくさなだから海づたいに、阿波へ漂泊ひょうはくしてきた落武者の子孫なのでございました。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その断崖の真下に打ち寄せて来る波は、千千石ちぢわ湾から天草灘あまくさなだを越えて——万里舟を泊す天草の灘、と、頼山陽らいさんようの唄ったあの天草の灘から、遠く東支那海へとつらなっているのでしょう。
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)
ジーナとスパセニアと馬を並べて、静かな湖の回りを散歩したり、豪宕ごうとう天草灘あまくさなだ怒濤どとうを脚下に見下みおろして、高原の夏草の間を、思う存分に馬を走らせたり……学校はまだ休暇ではないのです。
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)