大構おほがま)” の例文
こと小半里こはんみち田舍ゐなかながら大構おほがまへの、見上みあげるやうな黒門くろもんなかへ、わだちのあとをする/\とくるまかくれる。
麦搗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
なんにもいらない、體だけ歸へせと爭つてゐた。角店の大構おほがまへも、大名邸ほどの廣い土地も家作も、大資産であるだけ負債も多く、家も子供たちにおなじにすつかり蟲くつてゐたのだつた。
「郭子儀」異変 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)