売買うりかひ)” の例文
旧字:賣買
が、彼の苛立いらだたしさは彼にエホバの「殿みやに入りてその中にをる売買うりかひする者を殿みやより逐出おひだし、兌銀者りやうがへするものだい鴿はと売者うるもの椅子こしかけ
西方の人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
広海ひろみ二三郎といへば、人も知つてゐる通り船成金ふななりきんの一人である。船成金といへば、大抵船を売買うりかひして懐中ふところを膨らませた連中れんぢゆうだが、広海氏のは少し違つてゐる。
ターマンは、方々にできるいろ/\の品物を、売買うりかひしながら、南洋にちらばつてる小さな島、人間のすんでる島や誰もゐない島を、探検してまはつてる男です。
シロ・クロ物語 (新字旧仮名) / 豊島与志雄(著)
あれは番町の方の鰐淵と申す、地面や家作などの売買うりかひを致してをります者の手代で、はざまとか申しました」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
市日には遠近ゑんきんの村々より男女をいはず所持しよぢのちゞみに名所などころしるしたる紙簽かみふだをつけて市場に持より、そのしな買人かひてに見せて売買うりかひ直段ねだんさだまれば鑑符きつてをわたし、その日市はてゝかねふ。