垣内かきつ)” の例文
屋敷中の人々は、身近くつかへる人たちから、垣内かきつの隅に住む奴隷やつこ婢奴めやつこの末にまで、顔を輝して、此とり沙汰を迎へた。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
咲くほどは垣内かきつの小菊影さして日のあたり弱きしづもりにあり
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
しらしらと咲きめぐりたる夕貌の花の垣内かきつに馬洗ふこゑ
礼厳法師歌集 (新字旧仮名) / 与謝野礼厳(著)
仲麻呂は今年、五十を出てゐる。其から見れば、十も若いおれなどは、まう一度、思ひ出に此匂ひやかな貌花を、垣内かきつの苑に移せない限りはない。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
この垣内かきつ見つつ狭けど白菊のにほふおもてのかぎりなく澄む
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
其日からもう、若人たちの糸縒いとよりは初まった。夜は、ねやの闇の中で寝る女たちには、まれに男の声を聞くこともある、奈良の垣内かきつ住いが、恋しかった。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
輝かでにほふ垣内かきつの芝生には冬の日ざしぞぎたまりたる
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
仲麻呂は今年、五十を出ている。其から見れば、ひとまわりも若いおれなどは、思い出にもう一度、此匂やかな貌花かおばなを、垣内かきつ坪苑つぼに移せぬ限りはない。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
輝かでにほふ垣内かきつの芝生には冬の日ざしぞぎたまりたる
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
屋敷中の人々は、上近くつかえる人たちから、垣内かきつの隅に住む奴隷やっこ婢奴めやっこの末にまで、顔を輝かして、此とり沙汰を迎えた。でも姫には、誰一人其を聞かせる者がなかった。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
風隱かざかげのぬくき垣内かきつの高野槇これの一木ひときの春のしづけさ
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
風隠かざかげのぬくき垣内かきつの高野槙これの一木ひときの春のしづけさ
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)