図迂図迂ずうずう)” の例文
加之しか先方むこうから真白昼まっぴるま押掛おしかけて来て、平気でおでおでをめるとは、図迂図迂ずうずうしい奴、忌々いまいましい奴と、市郎はあきれを通り越して、やや勃然むっとした。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
汽車賃もない癖に、坑夫になろうなんて呑込顔のみこみがおに受合ったんだから、自分は少し図迂図迂ずうずうしい人間であったんだと気がついたら、急に頬辺ほっぺたが熱くなった。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「何、いってんのさ、跛足のバカ……お前さんの顔は、化物そっくりだよ、ヘンだ、そんな顔でよくも図迂図迂ずうずうしいことがいえたもんだね……せいぜい、由公でも抱いてるさ……」
夢鬼 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
市郎も図迂図迂ずうずうしいのに少しくあきれた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)