回顧かいこ)” の例文
今更のように回顧かいこして、すべてが奇跡きせきのように考えられた。松千代が生きていた——これは自分の生きている以上の思いだった。奇跡以上の奇跡であった。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大きなひろい意味の言葉を用うるときはしばしばみずかあざむくことがある。わが輩はとくに職業を選定せんとする青年に自己の動機を回顧かいこせんことをすすむ。先人の言にいわ
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
元禄時代に対する回顧かいこがそれである。見よ、彼らの亡国的感情が、その祖先が一度遭遇そうぐうした時代閉塞の状態に対する同感と思慕とによって、いかに遺憾いかんなくその美しさを発揮しているかを。
人間の歴史はあらゆる能力の活動を含んでいるのだから政治に軍事に宗教に経済に各方面にわたって一望いちぼうしたらどういう頼母たのもしい回顧かいこが出来ないとも限るまいが、とくに余に密接の関係ある部門
『東洋美術図譜』 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
かく長たらしく書いたことを回顧かいこすると、僕の平生の筆法ひっぽうとは大分だいぶん調子がちがっておる。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
幼少時代の理想の回顧かいこ
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)