“嗜慾”の読み方と例文
読み方割合
しよく100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
野々宮さんも広田先生と同じく世外の趣はあるが、世外の功名心の為めに、流俗の嗜慾しよくを遠ざけてゐるかの様に思はれる。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
偏屈人に対しては妙に心理洞察のカンのある彼は、食道楽であるこの中老紳士の舌を、その方面からそらんじてしまって、嗜慾しよくをピアノの鍵板けんばんのように操った。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
彼が新知識、特にオランダ渡りの新知識に対して強烈な嗜慾しよくをもっていたことは到る処に明白に指摘されるのであるが、そういう知識をどこから得たか自分は分からない。
西鶴と科学 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)