嗄声しゃがれごえ)” の例文
旧字:嗄聲
嗄声しゃがれごえで聞こえるので、たまらなくなって、あとじさりをしながら、背後うしろを見ると、今居たと思う蕎麦屋が影もなしに雪に消えたので、わッと云うと
れた人間離にんげんばなれのした嗄声しゃがれごえ咽喉のどいて迸出ほとばしりでたが、応ずる者なし。大きな声が夜の空をつんざいて四方へ響渡ったのみで、四下あたりはまたひッそとなって了った。
異様に低い嗄声しゃがれごえではあるけれど、充分聞分けられる程度になる。
悪霊 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
杉右衛門が、嗄声しゃがれごえで叫んだものである。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
競立きそいたった馬のひづめの音、サーベルの響、がやがやという話声に嗄声しゃがれごえ消圧けおされて——やれやれ聞えぬと見える。