喰止くいと)” の例文
ワアワアワアワアとはちの巣をつついたような騒ぎのうちに、船はたちまちゴースタンして七千トンの惰力をヤット喰止くいとめながら沖へ離れた。
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
しかも夫婦は贅沢ぜいたくを贅沢としらずに過して来た人たちであったので、娘たちを育てるにもかなり華美な生活をつづけていた。次第々々に家産が傾くと知りつつもそれを喰止くいとめるだけの力がなかった。
マダム貞奴 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)