“喜撰”の読み方と例文
読み方割合
きせん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その一番奥のかけ離れた二間つづき、裏梯子があるので人と顔を合せずに出入りができるので、喜撰きせんでは特別いい部屋としてある。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わたしの見物した日には、菊五郎は病気だというので、その持役のうちで河童かっぱの吉蔵だけを勤め、藤井紋太夫と浄瑠璃の喜撰きせん法師は家橘が代っていた。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
しかし、踊は勿論、当人が味噌を上げるほどのものではない。悪く云えば、出たらめで、善く云えば喜撰きせんでも踊られるより、嫌味がないと云うだけである。
ひょっとこ (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)