“喚(め)” の例文
ここにその足名椎の神を喚(め)して告(の)りたまはく、「汝(いまし)をば我が宮の首(おびと)に任(ま)けむ」と告りたまひ、また名を稻田(いなだ)の宮主(みやぬし)須賀(すが)の八耳(やつみみ)の神と負せたまひき。
かれ詔らしめ給へらくは、汝とつがずてあれ、今喚(め)してむと詔(の)らしめ給ひて、宮に還りましき。かれ其の赤猪子、天皇のみことを仰ぎ待ちて既に八十歳を経たりき。
枕物狂 (新字旧仮名) / 川田順(著)
事が起ると足擦(あしず)りしてお妬みなさいました。しかるに天皇、吉備(きび)の海部(あまべ)の直(あたえ)の女、黒姫(くろひめ)という者が美しいとお聞き遊ばされて、喚(め)し上げてお使いなさいました。
ここに天皇、三野(みの)の國の造の祖、大根(おほね)の王八が女、名は兄比賣(えひめ)弟比賣(おとひめ)二孃子(ふたをとめ)、それ容姿麗美(かほよ)しときこしめし定めて、その御子大碓(おほうす)の命を遣して、喚(め)し上げたまひき。
その姿容(かたち)の端正(うつくしき)に感(め)でたまひて、すなはち建内(たけしうち)の宿禰(すくね)の大臣に誂(あとら)へてのりたまはく、「この日向より喚(め)し上げたまへる髮長(かみなが)比賣は、天皇の大御所(みもと)に請ひ白して、吾(あれ)に賜はしめよ」