“哀々”の読み方と例文
読み方割合
あいあい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それから彼の血を吐くような哀々あいあいの台詞が妾の心臓にサイレンのようにひびいて、妾は佐野の為に殉教者のような気持になるのでした。
バルザックの寝巻姿 (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)
旌旗せいき色なく、人馬声なく、蜀山の羊腸ようちょうたる道を哀々あいあいと行くものは、五丈原頭のうらみを霊車にして、むなしく成都へ帰る蜀軍の列だった。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その時、はる戸外おもてに当たってむせぶがような泣くがような哀々あいあいたる声が聞こえて来た。それは大勢の声であり、あたかも合唱でもするかのように声を合わせて叫んでいるらしい。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)