吻合ふんごう)” の例文
二つの相対は、過去の例でみると、かえって、多くの複数よりも、対立が尖鋭せんえい化され、なぜか、両者の吻合ふんごう的平和にはあまんじない。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
このような種類の機微な吻合ふんごうがしばしば繰り返されて、そしてその事が誇大視された結果としていわゆる厄年の説が生れたと見るべき理由が無いでもない。
厄年と etc. (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
これは此処ここ何年というもの、ずっと生糸の値下りから各町村でも、なるべく桑園を作畑に改めさせ、多少の奨励金を出して居るのと吻合ふんごうするところがある。
この種は支那の北地ならびに満洲にも野生して普通に見られ、秋に美花をらいて野外を装飾する。今その草の状を観ると『渓蛮叢笑』の文とピッタリ吻合ふんごうする。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
おのずからそれらの気持がぴったり吻合ふんごうした。最初に、男と女の間にそれから親と子の間に——そして、彼らの邦夷との間に起った共感もこれと同じものであった。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
ことさらにあとさんと、きりこみし人々、皆其刀をがせし中に、一瀬が刀の二個処いちじるしくこぼれたるが、臼井が短刀のはのこぼれに吻合ふんごうしたるよりあらわれにき。
みちの記 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
更ニ之ヲ約併シテ、二字或ハ一字ニ帰納シ、其漢音ニ吻合ふんごうスルヲ以テ、洋音ヲ発シ、看者ノ之ヲ視ル、なお原語ヲ視ル如クナラシム、其漸次ニ約併セルハ、簡捷ヲとうとブ所以ナリ。
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
先頃の『弘道』に掲載された「日本人の理想に吻合ふんごうしない西洋人の家庭生活」
男女交際より家庭生活へ (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
ぴったりと吻合ふんごうして来る。