勤向つとめむき)” の例文
旅費をもらって、勤向つとめむきの都合をつけて貰って、病後の身体を心持の好い温泉場で静養するのは、誰にとっても望ましい事に違なかった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
蘭軒には文化七年二月より文政九年三月に至る「勤向つとめむき覚書」があり、其嗣子榛軒しんけんには嘉永五年十月二十一日より十一月十九日に至る終焉の記があるのみである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
むくいられない苦勞をするのを、一番男らしい仕事と思ひ込んで居た岩松は、房五郎の分まで罪を背負ひ込んで、三宅島へ流されたのは四年前の夏、上樣御不例やら、勤向つとめむきの神妙さやらで
従って世間の親達のように、早く私を月給取にして、嫁をあてがって、孫の世話でもしていたいなぞと、そんな気は微塵もないが、何分にも当節は勤向つとめむきむずかしくなって、もう永くは勤まらぬという。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
勤向つとめむきも相分候に付、仕合の事に御座候。
遺牘 (旧字旧仮名) / 西郷隆盛(著)
此所ここに書いてありますよ。——同人幼少にて勤向つとめむき相成りがたく当方とうかたへ引き取り五カ年間養育致候縁合そろえんあいを以てと」
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)