効験しるし)” の例文
旧字:效驗
そろそろ貴女のお力の効験しるしが現れて来ました。災厄が余り突然やって来たので、人間の微妙な精神の歯車も大分痛められました。
対話 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
雨乞いの祈祷はの刻(午前十時)を過ぎても何の効験しるしも見えなかった。壇のまわりには北面ほくめんの侍どもが弓矢をとって物々しく控えていた。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
御厩河岸おうまやがし榧寺かやでらには虫歯に効験しるしのある飴嘗あめなめ地蔵があり、金竜山きんりゅうざん境内けいだいには塩をあげる塩地蔵というのがある。
しかるに、その渡り来る薬品どもの中には効能のすぐれたるもあり、又は製煉を尽して至つて猛烈なるたぐいもありて、良医これを用ひて病症に応ずればいちじるき効験しるしをあらはすもあれど
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
腕力ちからの欲しい若者達が少しの効験しるしでも身に受けたいと、夜昼境内へやって来ては、力柱へ体を打ち付け帰宅かえる時には多少なりとも、賽銭を投げて行ったものだが、き易いのは凡夫の常
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
いろいろ祈祷きとうなどをさせていても効験しるしの見えない気がする。それでも祈祷はもう少し延ばすほうがいいね。効験をよく見せる僧がほしいものだ、何々僧都そうず夜居よいにしてあなたにつけておくのだった
源氏物語:51 宿り木 (新字新仮名) / 紫式部(著)
何分効験しるしもございません。
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
論より証拠はきのうの祈祷いのりじゃ。お前たちもお師匠さまと一つになって、悪魔調伏の祈祷をせられたが、あっぱれその効験しるしが見えましたか。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
唯今も仰せられました通り、あらゆる神社仏閣の雨乞いが少しも効験しるしのないと申すは、世も末になったかのように思われて、神ほとけの御威光も薄らぐと存じられまする。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
加持祈祷の効験しるしもない。
小坂部姫 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)