功徳こうとく)” の例文
かつてその弊害を見ざりしは、ひっきょうするに、教育の学者をして常に政治社外にあらしめたるの功徳こうとくといわざるをえざるなり。
学問の独立 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
時勢じせいしからしむるところとは申しながら、そもそも勝氏が一身を以て東西の間に奔走ほんそう周旋しゅうせんし、内外の困難こんなんあた円滑えんかつに事をまとめたるがためにして、その苦心くしん尋常じんじょうならざると、その功徳こうとくだいなるとは
これがめに人の生命を救い財産を安全ならしめたるその功徳こうとくは少なからずというべし。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
その功徳こうとく未だ現われずして、まず廃仏の議論を生じ、その成跡せいせきは神仏同居を禁じ、僧侶の生活を苦しめ、信者の心を傷ましめ、全国神社・仏閣の勝景美観を破壊して、今日の殺風景をいたしたるのみ。
学問の独立 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)