“剥落”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はくらく96.4%
はげお3.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
うす暗い中庭を抱いたどの部屋も、剥落はくらくした金泥絵きんでいえふすまだの、墨絵の古びたのばかりである。奥の方で、喘息ぜんそくもちらしい咳の声がして
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
御領地内の錠前じょうまえ金具ことごとく破損仕り、塗壁ぬりかべ剥落はくらく仕り候云々という、ドイツ人の管理人がよこした滑稽な手紙を読み上げた。
イオーヌィチ (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
見渡すと、女の人数だけずらりと並んだ鏡台と鏡台との間からはわずかに漆喰しっくい剥落はげおちた壁が現れていてその面にはあとから後からと、かさなって書き添えられたいたずら書のさまざま。
勲章 (新字新仮名) / 永井荷風(著)