剣山つるぎさん)” の例文
旧字:劍山
「いいえ、阿波へ越えて剣山つるぎさんまで行き着こうというのですもの、これくらいな所でくたびれてしまってどうなるものじゃありませんよ」
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
北多摩郡の多穀神社、笠島の道祖神、屋張の国の田県たがた神社、印旛いんば郡の熊野神社、奥州塩屋の金精神こんせいしん、信濃の△△、日向ひゅうがの△△、四国の五剣山つるぎさん、美濃の山神、いくらもあります! いくらもあります!
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「お目にかかることができる! 血を分けた父親てておやに会われる! オオ私はどうしても、剣山つるぎさんの間者牢へ行かなければならない」
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「なにさ、こっちにとればなおさら都合のいい話。剣山つるぎさんへ送る者があるので、急に脇船の方を承って行くことになった」
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
剣山つるぎさんふもとまで行って、啓之助をたぶらかして、とうとうこの大阪へ逃げ戻ってきたことなどを、それとなく話しながら、燃ゆるような恋をほのめかした。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
撫養むやの浦へ着船の節は、渭之津城いのつじょうへ寄るには及ばず、すぐ吉野川をさかのぼって、剣山つるぎさんの間者ろうへ二人の奴を送りこむよう。この大役、しかと申しつけたぞ」
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
第一に、吾々たちに御当家といううしだてのあることを観破した者は、江戸方の隠密甲賀世阿弥よあみ。これは、御本国剣山つるぎさん山牢やまろうに、終身押しこめてありますゆえまず安心。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
阿波の海陸二十七せき、そこをくぐって剣山つるぎさんの間者牢までまぎれこむのは、なるほど、できるだけひそかがいいし、弦之丞様の身になっても、足手あしでまといがねえほうがいい。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やがて仰ぐ行く手の雲と雲の間に剣山つるぎさんの姿がどっしりと沈んで見えた。
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
剣山つるぎさんの山絵図である。
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)