“刻々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こくこく50.0%
こく/\23.1%
こっこく19.2%
ささら3.8%
チクタク3.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
利鎌とがまを振りまわしている死の神はわれ等の同志百七十一人のもとを離れて、いまや刻々こくこく敵の副司令へせまりつつあるのだ。
間諜座事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
彼等はロチスター氏には見えなかつた。彼は一心に私の顏を見つめてゐたのである。恐らく、そこからは刻々こく/\と、血のが失せてゐたのだ。
陰森いんしんな、何か、やりきれないほどな、短くて長い気のする刻々こっこくが過ぎている。……ケロ、ケロロ、と池の初蛙もまた啼きだしていた。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なかんずく灰吹はいふきの目覚しさは、……およそ六貫目がけたけのこほどあって、へり刻々ささらになった代物、先代の茶店が戸棚の隅に置忘れたものらしい。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
が、その様子は、どうやら耳をらしているように思われた。刻々チクタクと刻む物懶ものうげな振子の音とともに、地底からとどろいて来るような、異様な音響が流れ来たのであった。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)