みひら)” の例文
その美しい眼を大きくみひらきながら、努めて何気なく云おうとしたが、その言葉には、何となく、あるこだわりがあるように思われた。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
が、両手を後手に縛られた義兄は、姉と同じように絞殺されたと見えみひらいた眼に死際の苦悶を見せながら、もう全身は冷たくなりかけて居ました。
ある抗議書 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
自分の肉親の姉が、虚空をつかみ、目をみひらき舌を噛み、衣服もあらわに惨殺された現場を見た私に取って、その兇悪な下手人を許すなどと云うことは、夢にも思われない事です。
ある抗議書 (新字新仮名) / 菊池寛(著)