出来立できたて)” の例文
縁側が出来立できたてで新らしい足袋ですからツル/\とすべって書物棚へ思わず倒れ掛って手を突くと、其の棚がギーと芝居でする田楽道具の様に𢌞るからびっくりしてあとへ下って覗くと
客は薄ら寒そうに、これでもと思うさまかん出来立できたてのをいで、猪口ちょくを唇にもたらしたが、においいだばかりでしばらくそのまま、持つ内につめたくなるのを、飲む真似まねして、重そうにとんと置き
伊勢之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)