冥府みょうふ)” の例文
聞かされては眠れるものでない、なんだか冥府みょうふへでも引きこまれるように、妙に気が滅入めいってたまらなかった、今晩、またあれを聞かされては本当にたまらないから、逃げ出すのだ
大菩薩峠:27 鈴慕の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ただ二ヵ所ほど、矢来の口の囲いを切って、役人口、冥府みょうふ口と分けてある。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とはいえ、下界において、万一にも冥府みょうふ獄簿ごくぼに載るような罪科にお落ちなさればもうわたしの力でもお救いはできません。……三巻の天書てんしょを以後の友となされて、それをお研究きわめなされませ。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)