冒頭あたま)” の例文
山の男と海の男が魚に対して根本的の観念をことにするごとく、謎の女と糸子とは、人間に対して冒頭あたまから考が違う。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
時としては艶種が二面の下から三面の冒頭あたまへ續いて居る樣な新聞だつたのが、今では全然すつかり總ルビ附で、體裁も自分だけでは何處へ出しても耻かしくないと思ふ程だし
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
山家やまが御馳走ごちそう何処いずくも豆腐湯波ゆば干鮭からざけばかりなるが今宵こよいはあなたが態々わざわざ茶の間に御出掛おでかけにて開化の若い方には珍らしくこの兀爺はげじいの話を冒頭あたまからつぶさずに御聞おききなさるが快ければ
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
時としては艶種つやだねが二面の下から三面の冒頭あたまへ続いて居る様な新聞だつたのが、今では全紙すつかり総ルビ付で、体裁も自分だけでは何処へ出しても恥かしくないと思ふ程だし
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)