公卿侍くげざむらい)” の例文
公卿侍くげざむらいの顔は、自分の持ち歩いている松明たいまつの油煙で、鼻の穴まで黒くすすけてい、狩衣も夜露や泥でひどく汚れている。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
使者は徳大寺家の公卿侍くげざむらいの青地清左衛門という武士であったそうな。その清左衛門を矢柄源兵衛めが、箱根の山の中で討ち取って、奪って俺の所へ持って来たものだ。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
しかも、その取り巻の中には、公卿侍くげざむらいか所司代付きか、それともどこかの藩のお留守居番か、いずれにしてもれっきとした二本差が四人までも平身低頭せんばかりにしながらたかっているのです。
ななめに、紙燭ししょくの黄色い明かりがながれた。その明かりに、いた僧形そうぎょうのかげを見ると、顔をだした公卿侍くげざむらい
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ここらの横には小扶持こぶちを取って、生涯変哲もなく暮している公卿侍くげざむらいの住居が多かった。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
持ち前の度胸をすえて、高は、ずかずかと門内へ進み、わざととがめられるのを待った。そして番士に捕えられ、やがて出て来た公卿侍くげざむらいへ、蘇学士の書状を手渡して、ことばすずやかに、こう告げた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また、烏丸光広卿の名代として供連れの公卿侍くげざむらいの一行。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それでも動かないので、くるまのわきにいた公卿侍くげざむらい
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)