入来いらし)” の例文
旧字:入來
あゝと貞之進は初めて声を出して答え、よく入来いらしってよと解けた詞に嬉しさは頸筋元から這入って、いつもの通り肚で躍って居た。
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
『おやう。まあ甚麽どんなにかうちぢや御世話様になりましたか。ほんとに遠い所をよく入来いらしつた。まあ/\お二人共自分の家へ来た積りで、ゆつくり見物でもなさいましよ。』
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
過日このあいだの方はあれから入来いらしって、あの翌晩おひとりで、そう可笑いんだよ玉ちゃんが大変岡惚して、風采ようすのいゝ方ねえ、あら姉さんも、何だね厭に気を廻すよ、だって風采が好って
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)