“倒(た)” の例文
「あるといえばあったようなもの、ないと云えばなかったようなものさ……ところで、初というその老女はどんな具合に死んだかな? 往来の上で野倒(た)れ死にかな?」
開運の鼓 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ところがブッ倒(た)おれたと見ると直ぐに、兄イ連(れん)が舷側(ふなばた)に引(ひき)ずり出して頭から潮水(しおみず)のホースを引っかけて、尻ペタを大きなスコップでバチンバチンとブン殴るんだから
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
そこを二三度も石炭籠(すみかご)を担いで往復してから急に上甲板(じょうかんぱん)の冷(つ)めたい空気に触れると、眼がクラクラして、足がよろめいて、鬼のような荒くれ男が他愛なくブッ倒(た)おれるんだ。
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)