余瑱よてん)” の例文
これ開平かいへいの東北の地なり。時に余瑱よてん居庸関きょようかんを守る。王曰く、居庸は険隘けんあいにして、北平の咽喉いんこう也、敵ここるは、れ我がはいつなり、急に取らざる可からずと。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
北平既に全く燕王の手に落ちしかば、都指揮使の余瑱よてんは、走って居庸関きょようかんを守り、馬宣ばせんは東して薊州けいしゅうに走り、宋忠そうちゅう開平かいへいより兵三万を率いて居庸関に至りしが、あえて進まずして、退いて懐来かいらいを保ちたり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)