仰見あおぎみ)” の例文
東都名所のうちその画題を隅田川花盛はなざかりとなしたる図の如きを見よ。まず丘陵の如くに凸起とっきしたる堤を描き、広々ひろびろしたる水上より花間かかん仰見あおぎみて、わずかに群集の来往らいおうせるさまを想像せしむるに過ぎず。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
追付きて、『いかに、き子、菫花のしろ取らせむ、』といふを聞きて、始めて仰見あおぎみつ。そのおもての美しさ、濃きあいいろの目には、そこひ知らぬうれいありて、一たび顧みるときは人のはらわたを断たむとす。
うたかたの記 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)