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五抱
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いつかかえ
与吉は天日を
蔽う、葉の茂った
五抱もあろうという幹に
注連縄を張った樟の
大樹の根に、
恰も山の
端と思う
処に、しッきりなく降りかかる
翠の葉の中に、落ちて落ち重なる葉の上に
四抱か
五抱もある
大樹の幾本となく
提灯の火にうつる鼻先で、ぴたりと留まった。
路はここで
二条になって、
一条はこれからすぐに坂になって
上りも急なり、草も両方から
生茂ったのが、
路傍のその
角の処にある、それこそ
四抱、そうさな、
五抱もあろうという一本の
檜の