二荒山ふたらやま)” の例文
三年前神隱しに逢つて野州二荒山ふたらやまの奧に居たといふ和泉守一子鐵三郎が江戸に立還たちかへり、改めて家督相續を願ひ出で、後見人永井平馬は
その師の坊の姿を見ると、ちょうど台所で味噌をっていた小坊主が、擂粉木を縦に持ったまま、破風はふから飛出とびだして雲に続いた。これは行力ぎょうりきが足りないで、二荒山ふたらやまおっこちたと言うのです。
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)