九鬼嘉隆くきよしたか)” の例文
九鬼嘉隆くきよしたかという贅肉ぜいにくもなく骨じまりの慥乎しっかとした色のくろい男だ。いわゆる潮みがきにかけられた皮膚と生きのいいぼらみたいな眼をもって
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、ののしり出した。鳥羽とば九鬼嘉隆くきよしたかも、忘恩の徒である、人でなしであると、家康に、理由を聞かせるのであった。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こんどの荒木村重むらしげ退治の合戦にあたって、織田方に一異彩いさいを加えた手勢がある。九鬼嘉隆くきよしたかひきいる水軍だった。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、よろこんで、即刻、これを秀吉に通報し、伊勢と鳥羽港とばこうにある秀吉方の水軍、九鬼嘉隆くきよしたかと会談して
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
海上に遊弋ゆうよくしている敵の水軍から、九鬼嘉隆くきよしたかの新手が上陸するのを防ぐためである。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
仔細に申し上げますと、だんだんわれわれの前身が——つまりおさとが知れて参ることになり——この儀は主人九鬼嘉隆くきよしたかよりも、平常、図に乗って自慢げに語ることは相成らぬと、固くいましめられておりますことゆえ、ちと、どうも
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)