九郎兵衛くろべえ)” の例文
そうおもって見ると、金兵衛の家には美濃の大井から迎えた伊之助いのすけという養子ができ、九太夫の家にはすでに九郎兵衛くろべえという後継あとつぎがある。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
田畑のことは確かにもわからないが、この大荒れでは稲穂もよほど痛んだのではないかと言って、彼のそばに来てその心配を始めるのは問屋の九郎兵衛くろべえだ。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
そこは会所と呼んでいるところで、伏見屋、桝田屋ますだや蓬莱屋ほうらいや、梅屋とこの四人の年寄役のほかに、今一軒の問屋九郎兵衛くろべえなぞが事あるごとに相談に集まる場所だ。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
九太夫さんはどう思っているか知りませんが、九郎兵衛くろべえさんにかぎって決してそんなことはありません。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)