久松座ひさまつざ)” の例文
乳母うばに抱かれ、久松座ひさまつざ新富座しんとみざ千歳座ちとせざなぞの桟敷さじきで、鰻飯うなぎめし重詰じゅうづめを物珍しく食べた事、冬の日の置炬燵おきごたつで、母が買集めた彦三ひこさ田之助たのすけ錦絵にしきえを繰り広げ、過ぎ去った時代の芸術談を聞いた事。
監獄署の裏 (新字新仮名) / 永井荷風(著)