中入なかい)” の例文
亡き勝家の怨念おんねんをなぐさめ、しずたけ中入なかいりの不覚の罪を、ひたすら詫びせん心底なり——と、平然として云い払うのでありました
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
中入なかいりが済むと、もう一度いつもの芸当をごらんに入れるか、いやだ、いやだ。からだが悪いとでもいって、おわかのように二、三日休んでやろうかしら」
両国の秋 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
地図は、池田勝入が、秘計を説いて献策けんさくした——例の、岡崎表を奇襲せんとする“中入なかいり”の山道図さんどうずなのである。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
古風な軍略では今時の合戦はでき申さぬ。このたびの中入なかいりにせよ、初手はなかなかおゆるしもなかった程だ。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
勝入は、るるとして、説いてやまず、執拗しつようにまで、かれの持つ“中入なかいりの奇略”の採用を求めるのだった。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
主人、修理大夫(桑山重晴しげはるのこと)の申しまするには、今暁、中入なかいりの敵勢は、いかにせん大軍。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
中入なかいりの一挙は、首尾上々、味方の大勝に帰したとはいえ、なお賤ヶ嶽、岩崎山、堀秀政の東野山より堂木だんぎへわたる敵のうごきも定かでない。飯咬めしかむあいだも油断あるな。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)