両顎りょうあご)” の例文
旧字:兩顎
力士りきしだといったら誰もほんとうにするだろう。かたいししむらがあから顔の両顎りょうあごにたっぷり張ッていて、大きな鼻の坐りをよくしている。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
水は木靴きぐつにいっぱいになり、いかにむちで打たれても両顎りょうあごの震えは止まらず、絶えず首筋は鎖につなぎ止められ、足は絶えずたれ下がっているだろう。
フランスひげ両顎りょうあご近くまで太くひねっているが、規矩男の面立ちにそっくりだった。
母子叙情 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)