与兵衛よへえ)” の例文
旧字:與兵衞
安宅あたけの松の鮨、竈河岸へっついがし毛抜けぬき鮨、深川横櫓よこやぐらの小松鮨、堺町さかいちょう金高かねたか鮨、両国の与兵衛よへえ鮨などが繁昌し、のみならず鮨もだんだん贅沢になって
顎十郎捕物帳:22 小鰭の鮨 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
自分は六条に住んでいる与兵衛よへえという米屋の娘で、商売の手違いから父母はことし十五の妹娘を連れて、裏家うらや逼塞ひっそくするようになり下がった。
鳥辺山心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
長崎に居ること難しソリャう次第になって来た。その奥平壹岐おくだいらいきと云う人に与兵衛よへえと云う実父じっぷの隠居があって、私共はこれを御隠居様とあがめて居た。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
神田鍛冶町二丁目、不動新道の和泉屋総本家の大旦那与兵衛よへえは、店の奥の間に、大番頭の伊之吉はじめ各分店のおも立った者をあつめて評議をひらいていた。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
そう申しては口幅っとうございますが、先ずこう申す五郎助七三郎が筆頭で、それから夜泣よなきの半次はんじさかずり金蔵きんぞうけむり与兵衛よへえ節穴ふしあな長四郎ちょうしろう。それだけでございます
怪異暗闇祭 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)