下画したえ)” の例文
椿岳は一つの画を作るためには何枚も何枚も下画したえを描いたので、死後の筐底きょうていに残った無数の下画や粉本を見ても平素の細心の尋常でなかったのが解る。
それにもう一度外側にひきかえして陽の光りの中に低い道に沿うて限りなくひろがってる露骨チサダンな岩壁を見上げ、そして荒々しい下画したえうちに描き書かれた、まぎれもない
即ち出来上らぬ下画したえと云うに過ぎぬ、是では何の役にも立ぬ、咒文を読んで分らぬ所は図籙を見ても矢張り分らぬ、叔父の説では幽霊塔を立てた人が、先ず咒文を作って次に図籙を作り始めたが
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
椿岳の代となって自から下画したえを描いた事があるそうだ。