下婢げじょ)” の例文
すると一人ひとり思付おもいつきに、この酒をの高い物干ものほしの上で飲みたいと云うに、全会一致で、サア屋根づたいに持出もちだそうとした処が、物干の上に下婢げじょが三、四人涼んで居る。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
旦那もとうとうを折って(それじゃあ帰るが可い、)というお許しが出ると、直ぐに元気づいて、はきはきして、五日ばかり御膳も頂かれなかったものが、急に下婢げじょを呼んで
化銀杏 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
彼女は、それぞれ試験がすんで帰ってくる坊っちゃん達を迎えに行っている庄屋の下婢げじょや、醤油屋の奥さんや、呉服屋の若旦那やの眼につかぬように、停車場の外に立って息子を待っていた。
電報 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
この風体ふうていを見ては流石さすが下婢げじょ其処そこに居ることが出来ぬ。気の毒そうな顔をして皆りて仕舞しまった。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)