七堂伽藍しちどうがらん)” の例文
興福寺の七堂伽藍しちどうがらんも、東大寺の仏殿楼塔も、早くからものの音をひそめて、しんしんと眠り入っているようである。人気ひとけはない。
雪の宿り (新字新仮名) / 神西清(著)
感応寺の「おみを」は十一代将軍の寵愛ちょうあいこうむって多くの子を生んだ。そのおかげで感応寺は七堂伽藍しちどうがらんを建て、大勢の奥女中を犯していた。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
むらさき袈裟けさをかけて、七堂伽藍しちどうがらんに住んだところで何ほどのこともあるまい、活仏様いきぼとけさまじゃというて、わあわあ拝まれれば人いきれで胸が悪くなるばかりか。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
興福寺の七堂伽藍しちどうがらんも、東大寺の仏殿楼塔も、早くからものの音をひそめて、しんしんと眠り入つてゐるやうである。人気ひとけはない。
雪の宿り (新字旧仮名) / 神西清(著)
貴下あなた、今お通りになりましてございましょう。此処ここからも見えます。この山のすそへかけまして、ずッとあの菜種畠なたねばたけあたり七堂伽藍しちどうがらん建連たてつらなっておりましたそうで。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)