“一役”の読み方と例文
読み方割合
ひとやく100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さら何人前、ぜん何人前などと箱書きしたものを出したり入れたりするだけでも、主婦の一役ひとやくだ。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ただこの葬式の喜劇の中に彼自身も弔辞の作者と云う一役ひとやくを振られていることは、——と云うよりもむしろそう云う事実をあからさまに見せつけられることはとにかく余り愉快ではない。
文章 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
でもまあ、なんて生気せいきの無い顔をしたやつばかりなんだろう。学生が五人。女が三人。ひでえ女だ。永遠に、従妹いとこベット一役ひとやくだ。他は皆、生活に疲れた顔をした背広姿の三十前後の人たちである。
正義と微笑 (新字新仮名) / 太宰治(著)