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こんまう
さへ
取りあげもせず
錦野が
懇望恰もよし
彼れは
有徳の
醫師なりといふ
故郷某の
地には
少からぬ
地所を
其上大洞にせよ自分にせよ、
一と
通ならぬ関係があるので、
懇望されて見ると何分にも
嫌と云ふことが言はれないハメのだから、
此処を
能く
呑み込んで承知して欲しいのだと
蓋を
拂へば、
昏惘として
令史あり。
妻、
微醉の
面、
妖艷無比、
令史を
見て
更に
驚かず、そんなものはお
打棄りよと。
令史を
突出し、
大勢一所に、あはゝ、おほゝ、と
更に
空中に
昇去りぬ。