“ボート”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
短艇51.2%
端艇31.7%
端舟4.9%
2.4%
単艇2.4%
小船2.4%
小蒸気2.4%
救助艇2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「あの船脚を見るがいい! 何んという立派な船体だ! 聞くがいい錨を卸す音を! 短艇ボートが一つ卸ろされた! 私を迎いに来たのだろう!……」
死の航海 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
この時一人の兵士があわただしく駈け付けて来て、その紳士はたった今端艇ボートに乗り込んで力限り向う岸へ漕いで行ったと報告した。
水晶の栓 (新字新仮名) / モーリス・ルブラン(著)
今は血一滴も残りおらず、そのうえ羅針盤は砕かれ、船上にありし二個の端舟ボートも海中に呑み込まれ、船首の方に立ちたりし船長室も、そのままどこにか持ち行かれしものならん、影も形もなく
南極の怪事 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
彼はいま去っていった龍介君たちのボートを見送る間もなく、岸にもやってあった小型のモータアボートに飛び乗ると、むちゃくちゃな速力スピイドで沖へ向かった。
危し‼ 潜水艦の秘密 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
静かについたモータアボートがあったと見るまに、するすると龍介君を先頭にした、博士、大佐、着剣した銃を持った水兵十名の一隊が、甲板に乗移のりうつった。
危し‼ 潜水艦の秘密 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
その湿しめつた水路すゐろ単艇ボートはゆき
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
まずかじは大丈夫使える。船底はかなりいたんではいるが、水のもれる心配はまずない。帆は完全といってもよい位に保存されている。小船ボート頑強がんきょうな奴が積んであり、難船の時の用意も出来ている。
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
天主閣のうえで、ボオオウと、法螺貝のような、太い汽笛を鳴らしながら、船は、水先案内パイロット小蒸気ボートに誘導されて、三番ブイに近づいた。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
われわれは船を停めて救助艇ボートをおろしましたが、その晩はまるで風雨あらしの起こる前のように静かな晩でしたのに、どうしてもその男の姿は見つかりませんでした。