“よろけ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
蹌踉50.0%
踉蹌16.7%
蹣跚16.7%
坑夫病8.3%
8.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
舟のへりを伝わると、あれ、船首みよしに紅い扱帯しごきが懸る、ふらふらと蹌踉よろけたんです……酷く酔っていましたわね。
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しかしたちまちにして一トあしは一ト歩よりおそくなって、やがて立止まったかと見えるばかりにのろく緩くなったあげく、うっかりとして脱石ぬけいし爪端つまさき踏掛ふんがけけたので、ずるりとすべる、よろよろッと踉蹌よろけ
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
しかもこの結婚は父母が勸めたといふよりも自分の方が寧ろ強請せがんだ形にも幾らかなつてゐたので、誰にぶつかつて行くすべもなく自分が自身の手負ひで蹣跚よろけなければならなかつた。
業苦 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
子も、孫も、その孫も、幾年代か鉱毒に肉体を侵蝕されてきた。荒っぽい、活気のある男が、いつか、蒼白に坑夫病よろけた。そして、くたばった。
土鼠と落盤 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
それを思うとうんざりした。しまいには、落盤にへしゃがれるか、むしばまれた樹が倒れるように坑夫病よろけで倒れるか、でなければ、親爺のように、ダイナマイトで粉みじんにくだかれてしまうかだ。
土鼠と落盤 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
よろける貞藏の手を取って台所だいどころ折廻おりまわった処の杉戸を明けると、三畳の部屋がござります。
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)