“やれしょうじ”の漢字の書き方と例文
語句割合
破障子100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
横ざまに、ステッキで、たたき払った。が、人気勢ひとげはいのする破障子やれしょうじを、及腰およびごし差覗さしのぞくと、目よりも先に鼻をった、このふきぬけの戸障子にも似ず、したたかな酒の香である。
怨霊借用 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と揚幕へ宙を飛んだ——さらりと落す、幕のすきに、古畳と破障子やれしょうじあらわれて、消えた。
木の子説法 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
何より、嫌な、可恐おそろしい雷が鳴ったのです。たださえれようとする心臓に、動悸どうきは、破障子やれしょうじあおるようで、震える手に飲む水の、水よりさきに無数の蚊が、目、口、鼻へ飛込んだのであります。
雪霊続記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)