“やしゅ”の漢字の書き方と例文
語句割合
野趣100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
主楽器は太鼓とかねであった。それに笛やササラのがからむ気だるい野趣やしゅをおびた民楽みんがくだが、遠くには、金剛や葛城かつらぎの山波が横たわり、空には昼の月があった。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やはり周囲の野趣やしゅをそのまま取り入れて、あくまでも自然に作った方がおもしろい。長い汽車旅行に疲れた乗客の眼もそれに因っていかに慰められるか判らない。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
ふるくは俳人の嵐雪が住み、歌人のママ茂真淵が住みまして、真淵などは、その周囲の野趣やしゅのあるさまから家の号を懸居と称えたということを池上はいつか話していました。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)