“ひらどま”の漢字の書き方と例文
語句割合
平土間100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ただ停車場ステーションが一つある。北京ペキンへの急行が出るとか云うので、客がたくさん列車に乗り込んでいる。下等室をのぞいたら、腰かけも何もない平土間ひらどまに、みんなごろごろ寝ころんでいた。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
この芝居へも母に連れられて見に行ったものの、平土間ひらどまはもとよりどの桟敷も超満員で、その上に入り込むだけの余裕がない。なんでも座頭ざがしらの席とかで、正面の高いところへ無理に押し上げられた。
煙草タバコは終生まなかった。遊山ゆさんなどもしない。時々採薬に小旅行をする位に過ぎない。ただ好劇家で劇場にはしばしば出入でいりしたが、それも同好の人々と一しょに平土間ひらどまを買って行くことにめていた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)