“ひつこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
引込48.7%
引越23.1%
執拗17.9%
引籠5.1%
移住2.6%
高踏2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
牧師は慌ててステツキ引込ひつこめた。ステツキといふのは、さる富豪ものもち寡婦ごけさんが贈つて来たもので、匂ひの高い木に金金具きんかなぐが贅沢に打ちつけてあつた。
「それなら私もちやうど引越ひつこさうと思つてゐるのやさかえ、田中村の奥の方に、一軒格安な家がありますがうです。」
(新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
何やうるさいほど執拗ひつこうて、横眼でジロジロ邪推深そうに人の顔色うかごうたりして、なるほどこれやったら、光子さんかてそない好きと違うんかなあいう気イしますねん。
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
近頃はお前別して鬱いでをるやうぢやないか、おれにはさう見えるがね。さうして内にばかり引籠ひつこんでをるのがよろしくないよ。この頃はちよつとも出掛けんぢやないか。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
瀬川の家も昔は斯ういふ風であつたので其を破つて普通の交際を始めたのは、の姫子沢へ移住ひつこしてから以来このかた
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
そこは無欲な叔父と大に違ふところで、そのおさへきれないやうな烈しい性質の為に、世に立つて働くことが出来ないやうな身分なら、いつそ山奥へ高踏ひつこめ、といふ憤慨の絶える時が無かつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)