“ひしもち”の漢字の書き方と例文
語句割合
菱餅100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いよいよ春だ。村の三月、三日にはひなを飾る家もある。菱餅ひしもち草餅くさもちは、何家でも出来る。小学校の新学年。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
日本一のお嬢さんを妾なんぞにしやあがって、冥利みょうりを知れやい。べらぼうめ、菱餅ひしもち豆煎まめいりにゃかかっても、上段のお雛様は、気の利いた鼠なら遠慮をしてめねえぜ、盗賊ぬすっとア、盗賊ア、盗賊ア
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
菱餅ひしもちの底を渡る気で真直まっすぐな向う角を見ると藤尾が立っている。濡色ぬれいろさばいた濃きびんのあたりを、つがの柱にしつけて、斜めに持たしたえんな姿の中ほどに、帯深く差し込んだ手頸てくびだけが白く見える。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)