“はしか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
麻疹66.0%
痲疹20.0%
痳疹4.0%
刃近2.0%
椅鹿2.0%
橋架2.0%
痲疹厄2.0%
蔴疹2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
危ねえと言ったって、こうなれば、疱瘡ほうそう麻疹はしかも済んだようなものでございますから、生命いのちにかかわるような真似は致しません。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
街道では痲疹はしかの神を送ったあとで、あちこちに病人や死亡者を出した流行病のわずらいから、みんなようやく一息ついたところだ。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
近頃痳疹はしかが流行りよるけに何かよい禁厭まじないはないかちゅう話から、わしが気休めに書いて遣った、意味も何もない出放題じゃ。
彼は余りに可燃質なり、彼は余りに殺急に、余りに刃近はしかし、切言すれば彼は浅躁せんそう軽慓けいひょう雑馭ざっぱくとのそしりを免るるあたわず。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
これは後での笑い話だが、川辺氏はもちろんぼくら一行が、有馬を起点とし、丹波境から椅鹿はしか淡河おうご藍那あいななどの山岳地を踏破して、義経の進んだ径路どおり鵯越えに出るものと予定していた。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まる一千年ほどの時の間隔があって、それを橋架はしかけるほどの文献のつながりがない。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
蝶子は痲疹厄はしかの他には風邪かぜ一つひかしたことはない、また身体からだのどこ探してもかすり傷一つないはず、それまでに育てる苦労は……言い出して泪の一つも出る始末に、柳吉は耳の痛い気がした。
夫婦善哉 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
「ほだべさ。その銭は、蔴疹はしかになってんのだもの。亀だって、蔴疹になったどき、身体中の皮が剥げだべ? ほして癒ったベ? この銭も、蟇口がまぐちさ入れて置けば、遣うどきまでに、ちゃんと癒ってんのだ。」
黒い地帯 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)